黄昏デザイン研究所




秋バラ アウグスタ・ルイーゼ

ハイブリッド・ティ
大輪/強香/四季咲き/心地よいフルーツ香を持ちます。


秋バラ シャンテローゼ・ミサト

深い緑の葉にグラデーションがかったピンクの花がよく映え、直立性ですっきりとした株立ち。病気にも強く育てやすいのが特長です。また、スパイシーな香りは、第7回ぎふ国際ローズコンテストベストフレグランス賞を受賞しています。花名は“バラ色の歌ミサト”の意で、歌手の渡辺美里さんに捧げられたバラ。

隠し念仏と高橋梵仙について


2022年6月2日


 隠し念仏(かくしねんぶつ)は、種々の秘密主義をもつ念仏信仰・民間信仰を意味する呼称である。そのなかでも、浄土真宗系で呪術的な隠し念仏がよく知られており、浄土真宗では異端であることを意味する異安心とされるが、真言念仏の系譜も承けている。信者は、御内法、御内証などと呼び、浄土真宗からは秘事法門、邪義などと呼ばれる[1]。信者同士では在家仏教、内信心とも呼ぶ。(Wikipedia)

 「隠れ念仏と隠し念仏」 (五木寛之こころの新書 2005/10/26)でその存在が一般にも有名になったが、以前は、平凡社が昭和35年出版の大ベストセラー「日本残酷物語」に克明な記載(おそらくは高橋梵仙の著述によるものと思われる)があり、それより人口に膾炙するようになったと思われる。戦前はもっと猟奇的な扱いをされていたようだった。

 平凡社世界大百科事典にも項目として「隠し念仏」が取り上げられ、その執筆者は、高橋梵仙(たかはし ぼんせん、1904年11月2日 - 1987年6月19日)であった。経歴は、岩手県生まれ。大東文化大学教授。真言宗智山派金剛寺住職、日本経済史、社会経済史、人口史専攻。(Wikipedia)

 日本人口史の著述で有名な戦前の学者との認識で特段気にも留めずにいたが、先日無聊にまかせて『日本人口史之研究 』三友社、1941年を読んで驚いた。当時は一般に公表できる差別語が全て伏字になっていた。恐らく、著者が人が人をいわれなく差別することを肯んじえずに発した警世の叫びのように感じた。研究内容は今となっては取り立てて挙げることもないのであるが、そこそこに虐げられた者、弱いものへの惻隠の情にあふれ、良質の文学書を読むような爽やかさを感じた。ほとんど民族学者なのではと思ったほどであった。

 高橋梵仙の人格にこころ魅かれたため、「かくし念仏考」日本学術振興会を読んでみた。
 隠し念仏の隠れキリシタンに匹敵する秘密結社的性格とその実態について、岩手生まれの学者としての著者が内側から書いた貴重な資料である。また、昭和31年刊という現代とはかなり異なる風俗が残っていた時代のことであるのが見逃せない。

 高橋梵仙の著書は古書界ではかなり高価である。訳は、発行部数が少ないことと内容が優れているため、現在評価が高いが再版されていないことである。

ここで彼に満腔の敬意を表し画像を添付したい。