黄昏デザイン研究所

野戦郵便旗

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著者　佐々木元勝
出版社　現代史資料センター出版会
刊行年　昭48　　　復刻版

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　これは世の禍の元が記してある本ですが、私が気になったことは、人にはある一定の割合でどうしようもない悪徳な人がいるということです。

　どうやらこれは本当のことらしく、いろいろな非常事態を描いたドキュメンタリーに記載された事例によって裏付けられます。人間の人格を表すものには、心誌（psychograph)人格プロファイルともいい、出来るだけ科学的方法をもって数値化したものがありますが、生物関係の数値が正規分布を描くことから推測し、人間の中には、他の生物に対して邪悪なものと善良なものが同じ割合で存在するであろうあろうと想像できます。その真ん中と両端の程度がどのくらいであるのか、存在数のみでなく、社会的影響力の高いものがどちらかに偏った数値である場合はどうなるのかなどと想像が広がります。

　この書籍は、旧日本軍の残虐行為の描写があるなどどちらかというと反戦平和団体から評価が高かったため、それに反する立場の人からは反論するための読み方されてしまいました。私見では名著と思います。冷静な読者を減らしたことが残念です。なお、古書価が上昇傾向にあります。文庫か電子ブックの出版が待たれます。
復刻版は、正続二冊一組です。大体実売3000円くらいです。原本は、伏字等で読みにくい場合がありますが、時代の雰囲気を知ることができます。