黄昏デザイン研究所

ローゼンドルフ シュパリースホープRosendorfSparrieshoop
1988年 ドイツ WCl つるバラ
淡い桃色 丸弁咲き 中輪
芳香  中香   ティー
 繰り返し咲き  1.6m
地植えアーチ西向き
とにかくよく咲きます、枇杷の木の陰で日当たりが悪い場所ですが、日当たりの良いところではとても大きく育つようです。
ウィリアム シェークスピア 2000   WilliamShakespeare 2000
2000年 イギリス S シュラブ
花色  クリムゾンレッド
花形  ロゼット咲き
花径  大輪
芳香  強香   ダマスク
  四季咲き 樹高  1.2m
12号テラコッタスタンダード
南向き
樹勢がとても強くよく育ちます。花は息をのむような赤です。極めて華やかです。当方ではスタンダード仕立てという特殊な仕立て方をしております。

大庭柯公


2022年6月2日
 
 
 大庭柯公とは明治大正期の新聞記者で、赤色革命後のソビエトに単身潜入し行方不明となり、スパイと間違えられて処刑されたのではないかと思われる人物です。

 穏やかなユーモアと社会に対する洞察力に富んだ行動力のあるジャーナリストでした。有名な著作者とはいえないのですが、1925年柯公全集 7冊揃(研究資料、追悼文集 含む) の復刻版があるほどの筆力があったのです。

 柯とは斧の柄のことで、詩経に伐柯伐柯其則不遠(斧の柄を作るのなら斧の柄を参考にすれば間違いが無い)との詩があるため、恐らくそれから採ったのと思います。柯公の公は、友人が後から付け加えた文字で、最初は「おおばか」という通称でした。友人に「二葉亭四迷(くたばってしめえ)」がいました。

露国及び露人研究 (中公文庫) (日本語) 中公文庫 1984/3/10
大庭 柯公  (著)

江戸団扇 中公文庫 大庭柯公  1987年2月10日 、206頁 、1冊

上記については、いまでもお手軽に手に入れることが可能です。

 しかし、全集には、乃木将軍との係りのなかで、将軍が安重根を称揚し、自らも彼のようなしかるべき人に討たれたいと語ったなど見逃せない記述もあります。


 また、幼い我が子を病気で失い、生前その子が、隣家の栗の木を見て、あれに栗の実が生るのかと聞いて来たこと、そしてその子の死後、それが突然切り倒されたことに血の出るような悲しみを覚えたことなども記されています。

 ここで申し上げたいことは、古書についてです。復刻ではないオリジナルの全集は1925年に出版されていて、これは国会図書館の図書館送信で誰でも近くの公共図書館で閲覧可能です。しかしその手間暇を考えると4万円くらいのものなら復刻版を購入するという選択もあるでしょう。
 
 古書価格は日々下落しているため、いらなくなったばあいはもうゴミ同然となるかもしれません。どうすればよいでしょう。柯公については、単行本が文庫などにあり手に入りやすいのです。それを読んでみて全人的な魅力を感じ、座右において日々親しみたいと思えば買った方がよいでしょう。

 4万円で一人の優れた人物を友人に持てるのです。個人全集にはそのような楽しみ方もあります。あまりにも自分と隔絶して偉大な人は親しめません、少し軽はずみような賢人が好いのです。

 私が購入しなかった理由は、死に方の特殊性ゆえに一時期称揚されすぎたため、その余慶で読まれている可能性が捨てきれないからです。確かに文章は魅力的で人格も悪くはなさそうです。しかし何かもう一つ突き抜けた魅力がありません。今となっては全集に限って言えば、斯界の研究者向け書籍かもしれないのです。
 ただし若い方にはお勧めいたします。もう二度と出版するはずの無い本だからです。興味を持たれた方は浅川書店に状態のよい本があるのでどうぞおいで願います。